『テイカー』と『メイカー』ってなんですか?
成行注文と指値注文
『テイカー』と『メイカー』を理解するにはまず成行注文と指値注文を知る必要があります。
成行注文とは、注文価格を指定しないで、板に並んでいる注文に応じて取引をする注文方法です。
『1000XRPを成行で買う』『2000XRPを成行で売る』という感じで注文を出します。
価格を指定していないので、『1000XRPを成行で買う』という場合は、板に並んでいる一番安い売り注文から順番に買って行く事になります。
また『2000XRPを成行で売る』の場合は、板に並んでいる一番高い買い注文から順番に売って行く事になります。
指値注文とは、希望する売買価格を自分で指定する注文方法になります。
『1000XRPを100円で買う』『2000XRPを110円で売る』という感じで注文を出します。
現在価格が105円の時に『1000XRPを100円で買う』という注文を出すと買板に注文が並びます。
価格が下がって100円の売り注文が入ると約定して売買が成立します。
現在価格が105円の時に『2000XRPを110円で売る』という注文を出すと売板に注文が並びます。
価格が上がって110円の買い注文が入ると約定して売買が成立します。
同じ価格の成行注文と指値注文が入った場合は成行注文が優先で約定します。
『メイカー(Maker)』とは
指値注文で、新たに注文が板に並ぶ注文の事です。
新たな価格を提示して売買の流れを生む可能性があるため、市場に流動性を提供する(make)事から『メイカー(Maker)』と言います。
メイカーとは、取引が成立するよりも前に注文を板に出す人です。
『テイカー(Taker)』とは
板取引で既に板に並んでいる注文を約定させる注文の事です。
約定によって取引板から注文を取り除き、結果として市場から流動性を奪う(take)事から『テイカー(Taker)』と言います。
テイカーとは、メイカーが出した既に板に並んだ注文に応じて約定させ、注文を板から消す人です。
テイカーとメイカーの図解
上の図は取引板です。
現在価格が100円です。
現在価格より下に並ぶ安い価格が買い注文です。
上に並んでいるのが売り注文です。
成行注文は板に並んだ注文を約定するので必ずテイカーとなります。
成行注文は必ずテイカーになりますが、指値注文が必ずしもメイカーになるとは限りません。
現在価格より安い98円の指値で買い注文を出せば、注文は板に並んでメイカーになります。
しかし、同じ指値でも101円で注文を出すと、板に並んでいる101円の売り注文と約定する事になるのでテイカーとなります。
また、98円の指値で注文を出しても、値動きが激しい時は板に並ばず直ぐに約定する場合があります。
その場合は現在価格よりも安い指値注文でもテイカーとなります。
メイカーとテイカーの手数料
多くの取引所ではメイカーとテイカーで手数料が異なります。
メイカーは取引板に約定するかもしれない注文を提供するということから、一般的に手数料がテイカーより安く設定されます。
中にはマイナス手数料を設定する取引所もあり、メイカーでの注文が約定すると手数料を貰えます。
一方でテイカーは取引板から流動性を取るため、手数料がメイカーよりも高く設定されている事が多いです。
手数料が安い、もしくは逆に手数料を貰えるメイカーで注文をした方が得なので、みんなメイカーになる注文を出すと思いますよね。
100円の時に99円で買い注文を出して板に注文が並んだとしましょう。
板に並んだのでメイカーです。
このまま約定すればいいのですが、価格が上がってしまうと約定しないので買う事が出来ません。
逆に成行注文を出したとします。
成行注文なのでテイカーです。
取引量の多い取引所であれば、基本的にはテイカーは注文を出せばすぐに約定します。
101円や102円で買う事になりますが、価格が上がっているのならば105円で売って利益を出せるかもしれません。
メイカーは安く買える可能性はありますが、チャンスを逃す可能性もあるという事です。
取引手数料と取引機会のどちらを優先するかで、ユーザーはどちらかの注文を選択する事になります。
まとめ
ただ、メイカーは取引出来ずにチャンスを逃すかもしれないんですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。